コロナウィルス感染防止のワクチン接種の遅れが指摘される日本に、恐れていたオーバーシュート(感染爆発)が起きています。東京都と沖縄に出されている4回目の緊急事態宣言に、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県を追加する方針を固めたが、今までと異なる効果的な施策が無いのが現状です。

コロナウィルスも変異株へと進化し感染力が強くなっているのに、日本政府の対応は昨年のデジャブを見ているかのように、何の進化も見られません。あとはワクチン頼みしかありません。

これからも暫くはWithコロナの生活が続いていきますが、コロナによって日本も大きく変わりました。
もちろん、デメリットも大きいのですが、メリットも大きいのではないかと思います。

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リーマンショックを超える経済危機

 2019年12月、中国湖北省武漢市で初めて感染が明らかになった新型コロナウイルスは、瞬く間に世界各国に感染が広がった。感染拡大を防ぐため、各国政府ともに厳しいロックダウン(都市封鎖)や入国制限措置を導入したことから、人とモノの移動が世界的に停滞し、経済に深刻な打撃を与えている。

人類の歴史を遡っても、1918〜20年に大流行したスペイン風邪(スペインインフルエンザ)以来の、文字通り『100年に一度』の大規模なパンデミック(世界的大流行)です。米労働省が発表した米国の2020年4月の失業率が14.7%と、前月より10ポイント以上悪化するなど、各国の主要経済統計を見てもその経済的なインパクトが極めて大きいことがわかります。リーマンショックをはるかに上回り、世界経済は1920年代に始まった大恐慌に匹敵する危機に見舞われています。

リーマンショックの場合、米国のサブプライム住宅ローン問題をきっかけとする金融市場の混乱が、米欧の金融システム不安を引き起こし、世界的な金融危機につながった。危機の震源地は金融市場であり、各国の中央銀行が緊急の金融政策を実施し、金融システム不安を回避した時点で、その後の先行きをある程度見通すことができた。実際、各国政府の積極的な財政出動により、着実に景気を押し上げた。

一方、今回のコロナショックは、各国政府がロックダウンをはじめとする厳しい活動制限措置を実施することで感染拡大に歯止めがかかり、パンデミックによる初期の大きな混乱は収まり始めていたが、第2波、第3波と感染拡大を招いており、今だ収拾がついていません。

日本でも、1回目の緊急事態宣言の解除にあわせて「新しい生活様式」の実践が提言されています。「感染拡大の防止」と「経済の再開」を天秤にかけ、行ったり来たりを繰り返す状態が続いており、ワクチン以外の施策が尽きた状態です。

2021年4月12日より高齢者への優先接種を開始しましたが、2021年7月30日現在での1回目のワクチン接種率は38.43%、2回目のワクチン接種率は27.64%と1ヶ月に10%の進捗です。全国民がワクチン接種を完了するまでには、最低1年から1年半は掛かることが予想されます。あるいは、人口の大部分に感染が広がって免疫を獲得する「集団免疫」と呼ばれる状態まで収束しないとみる専門家もいて、その場合は今後5年程度かかることもあり得ます。

 

業界に与える打撃と成長が見込める業種

最もダメージが深刻なのは、入国制限措置やロックダウン(都市封鎖)、外出自粛要請などの影響を直接的に受けている航空産業やホテル・旅館、外食産業、個人向けサービスです。また食品などの一部を除き、製造業の多くでは、需要が減退している上に、サプライチェーンの寸断によって生産縮小を余儀なくされ、大きな打撃を受けています。

一方、業績好調とまではいえないが、コロナ禍のなかでも需要が続いているのは社会インフラに関係する業種だ。スーパーやコンビニエンスストア、ドラッグストア、金融機関、電力・ガス、医療・介護、宅配業などがこれに当たります。

また、コロナによって加速した需要もある。それは世界的な外出自粛とテレワーク要請に伴い、オンライン会議システムをはじめとするコミュニケーションツールや、人事管理システムの需要が急成長しています。個人向けにはネット配信動画サービスなども好調です。

インバウンドの急激な減少もあり、日本でも航空産業やホテル・旅館、外食産業へのダメージは甚大です。また日本は製造業のウエートが高く、サプライチェーンが寸断され、貿易量の水準もしばらくは低迷しますから、特に輸出型の製造業は当面深刻な状態が続くと考えられます。

一方、世界から後れをとっていた日本企業のデジタル化は、デジタル化を進めている企業は厳しい環境下でも徐々に持ち直してくる。今後さらにデジタル化に出遅れた企業との格差が鮮明になるのは必然です。

 

コロナ収束までの3つのフェーズ

●第1フェーズ:感染拡大阻止

初期の段階では、緊急事態宣言の発令により、感染拡大を抑制できていたが、解除に伴いまた感染が拡大と現在4回繰り返しています。国民意識も初期段階よりも危機感が薄れ、国民の自粛だけでは終息が不可能という現実に気付いてしまった。

 

●第2フェーズ:感染収束と経済回復の両立

2021年7月30日現在での1回目のワクチン接種率は38.43%と1ヶ月に10%の進捗で、このままのスピードで行けば全国民がワクチン接種を完了するまでには、最低1年から1年半は掛かるところをどれだけ短縮できるか?にかかっています。

不安材料としては、変異株「デルタ株」が今のワクチンで効果的か?2回のワクチン接種で大丈夫か?などが挙げられます。
この不安材料が悪い方へ行けば、感染収束までの期間はさらに伸びてしまいます。

 

●第3フェーズ:コロナ後の経済復興

ワクチンや治療法の確立、集団免疫獲得などにより、新型コロナウイルス感染をほぼ警戒しなくてもよいフェーズに入るが、ここまでの過程で、各国の政府も企業も大きな債務を抱えていきます。借金返済を優先する必要性が高まり、各国の経済成長が遅れ、貿易は従来ほど活発ではなくなる。外需に依存した成長は難しくなります。

この段階で日本に求められるのは内需主導の成長です。すぐに内需型産業を創出できるわけではないので、第2フェーズの間から変革を進めることが必要になります。最も重要なのは経済活動のデジタル化です。すでに人同士の接触を避けながら経済活動を継続する手段として、デジタル技術の活用が進んでいるますが、コロナ後の内需拡大のためにもデジタル活用は欠かせません。

分かりやすい例では、自粛要請のなかでネット販売の利用が急激に伸びています。ウイルス感染が収束しても、ネット販売の利用は定着するでしょうが、一方で、リアル店舗におけるヒューマンタッチのコミュニケーションの意義が失われるわけではありません。顧客価値を最大化するようなネットとリアルの新たな関係を、第2フェーズから第3フェーズへの移行期に模索していく必要があります。

すでにデジタル化の必要性は叫ばれていましたが、日本企業の対応は出遅れていました。キャッチアップする大きな契機ともいえます。デジタル化を適切に進めることで、コロナ後の内需拡大を実現し、第3フェーズでの日本の経済成長が高まっていくことを期待しています。

 

コロナがもたらした働き方の変化

コロナにより急速に進むデジタル化は、今後さらに日本の働き方や組織形態にも変革を迫ることになりそうです。

テレワークはコロナ後の日本でも定着していくと予想されます。同じ職場で働いていればプロセス評価をしやすかったですが、テレワークが主流になれば、成果を重視した評価にシフトせざるを得ない。日本企業は一種の疑似家族のような関係性を構築してきましたが、今後はより契約的な関係性に移行すると考えられます。

単純にいって、テレワークが増えれば働く側も兼業・副業はしやすくなりますし、企業側も外部の人財を活用しやすくなる。かつて「バーチャルカンパニー」という概念がありましたが、多かれ少なかれ、日本の企業も有機的な人の集まりから、プロジェクト単位の機能的な組織体へとシフトしていく傾向が強くなるでしょう。

プロジェクト型組織への移行が進む中で、企業は今まで以上に強い求心力が求められます。
経営層・マネジメント層に求められるのは、

①「価値観の共有」です。この企業はどんなビジョンを持ち、社会にどう貢献していくのかを明確に示し、社員たちに浸透させていく。

②社員一人ひとりのキャリア観に寄り添い、その企業の一員であることが自分にとってプラスだということを「見える化」すること。

 

いずれもコロナ以前から求められていたことですが、アフターコロナではそれが加速するということです。

 

まとめ

企業ではコロナ禍で売り上げが減少しても、接待交際費や出張旅費などが大幅に削減された結果、販管費が大きく減少し、減収増益となるケースが続出している。

時代は令和なのに、多くの企業は昭和のやり方を継続していた。コロナによって色々な「無駄」に気付けた。
時代は進み、今までの常識も崩れ、新たな常識(=ニューノーマル)の時代が来ていることにも気付けた。

悲しいことですが、コロナ程の衝撃が無いと変わらなかった日本があったのかもしれません。
新しい時代が来たことを受け入れ、もう暫く続きそうなコロナ禍で前向きに取り組んでいくことが、最大のメリットかもしれません。

古い常識からの脱却。