最近ニュースなどで耳にする機会が増えた「SDGs」をご存知ですか? SDGsとは、国際社会全体が取り組むべき「持続可能な開発目標」のことで、日本でも企業や地方自治体、大学などでSDGsの達成に向けた積極的な取り組みが始まっています。

また、ビジョンやCSR(社会的貢献)が特に決まっていなかった企業が、こぞってSDGsに乗っかて、企業イメージ向上や採用強化のためにコーポレートサイトで打ち出しているのも目立ちます。

では、その「SDGsとは何か?」、SDGsの「17の目標」「169のターゲット」「5つのP」についてなど、とても簡単に分かりやすく解説しますので、きちんと内容を理解して取り組んで頂きたい。

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SDGs(持続可能な開発目標)とは?

「SDGs(エスディージーズ)」とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決められた、国際社会共通の目標です。

SDGsは「17の目標」と「169のターゲット(具体目標)」で構成されており、「地球上の誰一人として取り残さない」ことを誓い、2030年までに達成することをめざしています。

 

目標を3つに分けて紹介

SDGsには、全部で17の目標(Goals)があり、その詳細を示す全部で169のターゲットがあります。国連は、持続可能な開発には社会面、経済面、環境面の3つの側面があり、それぞれが統合され不可分のものであると説明しています。ここではその3つの面に分けて17のゴールを紹介します。

①主に社会面の目標

社会面の目標には、途上国の開発を主眼としたミレニアム開発目標からの継続課題が掲げられています。とはいえ、コロナ禍であぶり出された経済格差や教育機会の不平等、世界経済フォーラムが発表したジェンダー・ギャップ指数(2020年)で153か国中、121位と評価されたジェンダー平等など、日本にも取り組むべき課題が多くあります。

 

②主に経済面の目標

経済面の目標では、再生可能エネルギーの普及(目標7)から働き方改革(目標8)、災害に強いまちづくり(目標11)に廃棄物の削減・再利用(目標12)など、豊かさを追求しながらその暮らしを続けるための様々な課題が掲げられています。

 

③主に環境面の目標

環境面では、気候変動や海洋汚染の抑制、砂漠化防止などの自然環境の保全(目標13~15)に加えて、組織犯罪の根絶や基本的自由の保障(目標16)などの社会環境の整備も目標となっています。また、目標17では先進国から途上国への資金・技術の援助などSDGsを達成するためのパートナーシップがうたわれています。これは、「誰一人取り残さない」というSDGsの理念に基づくものと言えるでしょう。

 

なぜ最近よく聞くの?

それは、開発が遅れているからです。2019年11月、国連のグテーレス事務総長はフィナンシャルタイムズに寄稿した文章の中で危機感を記しています。

「SDGsの採択から4年がたち、ある程度の進展は見られています。極度の貧困や乳幼児の死亡率は下がっています。エネルギーへのアクセスと働きがいのある人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)は広がっています。しかし、全体として、我々は大きく軌道から外れてしまっています。」

国連は、SDGsの目標年である2030年を10年後に控えた2020年1月、「行動の10年」を宣言し、世界に持続可能な開発への取り組みをよりスピーディーに、より広く進めることを求めました。日本でもこの呼びかけに応え、政府や自治体、企業や市民団体が新たな取り組みを始めているからです。

 

SDGsの「5つのP」とは!?

SDGsの目指すものとして国連は「5つのP」をキーワードとして挙げています。

①人間(People)

すべての人の健康的な生活、平等、教育環境などの保障をめざしています。

②地球(Planet)

温暖化、海水面の上昇など多くの危機に直面する地球環境を破壊から守り育てます。

③豊かさ(Prosperity)

すべての人が経済的に持続し、充実した生活を送れるようにします。

④平和(Peace)

あらゆるレベルで暴力や恐怖を排除し、平和な世界をめざします。

⑤パートナーシップ(Partnership)

国際機関、政府、企業、社会、市民など多様な参加者がグローバルなパートナーシップを維持・推進します。

 

SDGsはブランディングではない!日本企業の間違った使い方

SDGsが騒がれ始め、コーポレートサイトに取り組みを掲載する企業が増えてきました。社員にもSDGsのバッジを付けさせる企業もあります。少し遅かったですが、この活動は大変喜ばしいことです。しかし、企業のビジョンやブランディングを怠り、その代替えにSDGsをうたっている企業が多いのも事実です。

採用強化などのため企業イメージアップのために活用していると思いますが、きちんと企業のビジョンやブランディングを行ったうえで、取り組みをアピールして欲しいと思います。

 

まとめ

世界のSDGs達成への取り組みをリードしているのは欧州、特に北欧諸国です。2019年の「SDGs達成度ランキング」では1位デンマーク、2位スウェーデン、3位フィンランド。そしてトップ10はすべて欧州の国々で、日本は15位と報告されSDGs達成度について一定の評価を得ていますが、世界のSDGsの歩みは決して順調というわけではありません。

2019年9月、ニューヨークの国連本部において「SDGsサミット2019」が開催され、多くの分野で進捗の遅れがみられ、2030年の目標達成への見通しが厳しいという認識が共有されました。個別には海洋プラスチックの問題や平均気温上昇の問題などが緊急課題として挙げられました。

世界のSDGsへ向けての歩みは着実ではあるものの十分と言えませんが、今後に向けてさらなる加速化、各国・各ステークホルダーの知恵と力の結集が求められ、更に耳にする機会が増えると思いますが、正しい伝え方をして欲しいと思います。