世界のゴルフ人口

世界のゴルフ競技人口は6,300万人から6,500万人と推測されていますが、これは、全スポーツ中で5番目に多い数字です。
ちなみに、スポーツ別の競技人口数1位はバスケットボールで4億5,000万人、2位はサッカーで2億5,000万人、3位はクリケットの1億5,000万人となっています。
ゴルフの競技人口数を国別にみると、45%がアメリカ、13%が日本、10%がカナダ、そして、6%が発祥国であるイギリスとなっています。
つまり、上位4カ国で全ゴルフ人口の約75%を占めている状態です。

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ゴルフ業界が直面する2020年問題とは!?

団塊世代(戦後に第一次ベビーブームが起きた1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)に生まれた世代を指す。)に人気のあったスポーツとして、スキーやゴルフがあげられますが、今やどちらのスポーツも競技者が激減してきています。

【車が必要】【費用が高い】【難しい】などという理由により、若者がスキーやゴルフをやらないことで次世代ファン作りが上手くできなかった事が要因と言われています。その代わり、団塊世代が元気でそのスポーツを支えてきましたが、2020年には団塊世代が70歳を超えてきており体力的にも限界がきています。ゴルフよりも体力のいるスキーはすでに厳しい経営状況に陥っていますが、いまだにゴルフ場売上の多くを占める団塊世代のゴルフリタイアメントのダメージはかなり大きく、倒産するゴルフ場も続出しかねないと問題視されています。

ゴルフの競技人口の推移を詳しくみると、2001年には1,300万人であった競技人口数は、2006年には1,000万人を割り、2016年には500万人台に落ち込みました。その後、2018年には670万人と盛り返しましたが、約20年間で半分に減っています。
「レジャー白書」によると15年時点でゴルフ人口のうち、60歳以上が約48%にもなるとも書かれていますので、なるべくしてなった結果といえる。
多少前後があるにせよゴルフが「超高齢者スポーツ」であることは間違いないため、2020年以降が更に正念場です。

そんな背景から、ナイキやアディダスがゴルフ用品から撤退したことも、この深刻な状況を物語っています。

今まだ大きく問題になっていないのは、思っていた以上に団塊世代が元気ということだけです。これから4・5年で新たな局面を迎えることは間違いないでしょう。

PRの仕方が分からない業界

昔は会員権が無いとプレーできないほど大人気でした。日本のゴルフは接待として定着し、ビジネスマンにとって仕事をするうえでゴルフは重要な時代でした。そのため、今まで何もしなくても必要以上の集客が図れてきたため、集客にお金を使ったことが無い業界のひとつだったため、集客の仕方が分からないのです。

今まで楽してきた分のツケが、いま大きく響いてきています。

若いゴルファーを獲得することがゴルフ業界の課題だった時に業界全体ですがったのが、2008年1月10日石川遼のプロ転向でした。16歳3か月24日という史上最年少のJGTOツアープロが誕生しました。そして、これを皮切りにインドアゴルフ施設やシミュレーションゴルフを設置したダーツバーやゴルコンなどが次々と登場しましたが、残念なことにそれほどゴルファー増加にはつながりませんでした。

そんな中、ラッキーと言っていいのか?ソーシャルディスタンスが保たれるスポーツということで、コロナの影響でゴルファーが増えています。今までのようにゴルフ練習場に留まらず、ゴルフ場も確かに潤ってきています。コロナ禍で出来ることが限られたため、時間もお金も出来ることに集中した。その1つがゴルフだったということです。裏を返せば、それだけポテンシャルがあったにもかかわらず、ゴルフ業界はゴルファーを増やすことが出来なかったという事実が浮き彫りになった。

しかし、このプチバブルはいつまで続くか分かりません。既に日本のゴルフ場の多くはアコーディアやPGMといった外資系がゴルフ場を買い集め、日本のゴルフ場の大半を占める結果となっています。

競技人口増加のため、ルールの大幅改訂!?

そんな中で「ゴルフをもっと多くの人にプレーしてもらいたい」という思いから、全英と全米のゴルフ協会がルールを大幅に改訂しました。改訂されたルールにはさまざまなものがありますが、ゴルフをプレーしやすくするための改定として

  • 偶発的な2度打ちが無罰に
  • 地面に食い込んだ場合は罰無しで救済
  • バンカー内の石や砂を無罰でどかせる
  • OBエリア以外であれば、クラブ一本分の長さ内でカップに近づかない場所から1打罰で打てる
  • 打つ順番は基本的にはカップに遠い人からだが、安全さえ確保できれば優先的に打てる
  • 2打罰でバンカー外に出られる

などがあります。

今回のルール改訂で、初心者でもプレーしやすくなることが期待されていますが、ルールの改訂によってかえって難しくなった部分があったり、ルールの改訂の周知など、課題もあります。

恐らくこのルール改定がゴルファーの増加にはつながらないと思います。これに期待すること自体が、PRを知らない業界なのだと改めて思います。ただ誤解が無いように言っておきますが、私はゴルフが大好きです。今残っているゴルフ場はコースも良くて、価格も昔に比べてリーズナブルになっています。
だからこそ歯がゆさがあります。

ゴルフ業界やゴルフ場が、日本人に向けた独自のサービスやPRを考えることが必要です。これからの時代は特に、自ら集客やPRをしないと、いくら商品やサービスが良くても知られなければ生き残れなくなるということです。モノがあふれている時代、選択肢の多い時代、ほっといても売れる時代はとっくに終わっています。

メンバーシップコースからパブリックコースへ

現在は、ゴルファー減少や価格競争できるようにメンバーシップコース(会員制ゴルフコース)からパブリックコース(誰でもプレー可能なコース)へのモデルチェンジが加速しています。それは、需要と供給のバランスが崩れたためメンバーシップコース(会員制ゴルフコース)のメリットの方が少ないからです。
逆に、色々なコースを体験できる方がメリットと感じるゴルファーが増えたように思いますし、会員へのサービスが昔と変わらない、魅力がないというのもあると思います。

パブリックコースへのモデルチェンジは、【メインのゴルフコースを良くして、人を減らした運営を実現し、低価格で提供する】ため
・キャディバッグの積み下ろしのセルフ化
・自動チェックイン&自動精算機の導入
・GPSナビ付きカートの導入(キャディ廃止)
・コース改善(ブラインドホールの排除などによりプレー時間の短縮を図り、多くのパーティを入れられるようにする)
・クラブハウスの改修(維持費や光熱費などのランニングコスト削減)
・女性受け入れ対応(ロッカールームやパウダールームの拡張及び改修)

などをメインで行っていますが、削減して良いところと良くないところの選別が重要かもしれません。
料理に関しては、お酒を飲む人が減少したため、単価アップしやすい料理に力を入れている施設やレストランを外部に委託する動きが目立っています。

 集客・会員獲得戦略が存続のカギ

日本酒もそうですが、ゴルフ場も広告を出さなくても大人気でした。そのような業界でしたので広告に慣れていないかもしれません。もちろん売上に直結するゴルフ予約サイトも重要ですが、【集客・会員獲得戦略】【顧客満足度の向上】【リピーターにつなげる戦略】を図ることが、とても重要なフェーズになってきていると思います。

コロナ禍に便乗して、ゴルフ場の仕事をお客様にスライドさせるような外資系ゴルフ場も出てきています。ゴルフ業界にとっては、夢のようなこのビッグチャンスをモノにできるかで未来が決まるといっても過言ではありません。このままファンで居続けてもらうためにも質の向上が必須になってきます。なぜなら、現状のゴルフマーケットを支えている団塊世代のゴルフリタイアが、間違いなく2025年までにはくることは避けられないからです。

この問題を、ゴルフ業界だけではなく他業界も教訓にしなければなりません。他力本願から自力への変革は多くの企業の課題です。「まだ大丈夫!」と放って置いたのがゴルフ業界ですので。

私たちは、今まで多くの企業や商業施設のブランディングから集客及び売上向上に携わってきました。ゴルフ場に関しても、ゴルフ会員権を販売するためのウェブサイトやPV映像作成や、集客するためのポスター制作なども手掛けています。
これからも、大好きなゴルフに少しでも貢献してければ幸いです。

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