コロナ禍で倒産した企業は全国に1322件(2020年2月29日~2021年4月15日時点、帝国データバンク調べ)と増加の勢いが止まらない中、「自分の会社は大丈夫だろうか…」と不安を抱える人も多いと思います。一方で、在宅勤務を経験したことにより「働き方」を見直す人も増えている。かねてより求められてきた「ワークライフバランス」だが、自宅で過ごす時間が増えたことでその意識は一層高まっている。
コロナによる「働き方」に対する人々の意識の変化と、「売り手市場」から「買い手市場」に転じた転職事情、まだまだ続く「コロナ禍」という状況下でも転職勝者になる方法とは?
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先行き不安な今、転職を希望する理由とは!?
①在宅勤務で変わったワークライフバランス
ウィズコロナの危機的状況が続く中、ますます関心が高まっているのが「ワークライフバランス」です。最近では、「働く意味」を改めて考え直し、転職への決意を新たにした人も増えています。
在宅勤務を経験して、仕事以外の時間をより大切に考えるようになった。若い世代はもちろん、家庭のある30~40代男性についてはこれまで以上に家事・育児に積極的に参加した経験を経て、「たとえ現職より年収を落としてでも過度な残業は避けたい」「仕事だけじゃなく、自分の時間、家族との時間を大切にしたい」という方は明らかに増えており、そこに幸福感を感じています。
②「地方移住」への関心
20代など若者を中心に地方移住への関心が高まっています。理由としては「在宅勤務が可能なので首都圏にいる必要性を感じない」が最も多く、ここにもワークライフバランスの意識の高まりがうかがえる。
③会社の将来性が不安
コロナ禍によって、業種や企業の明暗もはっきり分かれた。
たとえば小売業では、コロナをきっかけに無人レジや無人店舗といったDXの潮流がさらに加速しつつあります。とくに社内SEのニーズは高まっており、年収帯を上げてでも優秀な人材を採用しようとしている企業が増えているるなど、デジタル化を始めとする社会の変容に、自身が勤める会社が対応できていないと判断し、現職に“見切り”をつける転職希望者も多いようだ。
コロナ禍を機に、企業の将来性を見極める求職者も目立ちました。マーケットの変化に順応できる柔軟性はあるか、イレギュラーな事態を乗り切る企業としての戦略や体力はあるか、といったところで求職者は見極めています。
コロナで「売り手市場」から「買い手市場」へ
まず、「売り手市場」「買い手市場」とは、どのような状況を指すのでしょうか。
●「売り手市場」とは、採用企業より転職希望者の方が少なく、転職希望者が優位に立っている状況。
●「買い手市場」とは、採用企業より転職希望者の方が多く、企業が優位に立っている状況。
コロナの感染拡大が起きるまでの数年間は、転職市場は売り手市場の傾向にありました。しかし、コロナの感染拡大の影響を受け、状況は変化しています。全業種における有効求人倍率は、2019年には1.60倍であったものの、2020年はコロナの影響により1.18倍となりました。有効求人倍率の低下に象徴されるように転職市場は「売り手市場」から「買い手市場」へ変化しています。
有効求人倍率とは、「月間有効求人数」を「月間有効求職者数」で割ったものであり、1人の求職者に対して求人が何件あるかを示す数値です。有効求人倍率が「1」以上なら、求職者に対して1件以上の求人がある状態ですので、「1」を下回った就職氷河期に比べれば、まだ良い方かもしれません。
※就職氷河期とは
一般的には1993年〜2005年までの就職難であった約10年間(失われた10年)を指します。バブル期に大量募集や一斉採用を行っていた企業は、1990年のバブル崩壊に伴い企業は人件費削減を実施した。
「買い手市場」で転職を成功させるコツ
転職希望者としては、応募できる求人が少なく、なかなか内定に至らないため、転職活動期間が長引く可能性もあるでしょう。そうした状況に陥りやすいことを認識した上で活動することをおすすめします。
一方、不景気の中で採用を行っている企業は、業績が伸びていたり、人材に投資できる体力を備えていたりする「優良企業」であるケースも多数。転職活動は厳しいかもしれませんが、優良企業への転職が叶う可能性があるとも言えます。
①転職の目的を明確にし、キャリアの棚卸を行う
コロナ禍の転職活動では、自分の希望や転職する理由などの目的を明確にしておくことが重要です。また、自分のこれまでの経験やスキルを整理し、キャリアの棚卸を行いましょう。
企業が採用活動に慎重になっているため、転職の目的を明確にし、キャリアの棚卸で自分の強みを把握することが大切です。棚卸によって自分のアピールポイントを再発見したうえで、企業選びや書類選考・面接を突破しやすくなります。
②転職エージェントの活用
転職エージェントでは、企業に提出する履歴書・職務経歴書の添削などを行います。また、面接対策までサポートするため。自分だけでは転職活動が困難だと感じた場合、活用しやすいでしょう。
③選考書類の作成とブラッシュアップ
応募を決めてから書類準備を行う場合、納得できない状態で提出すること可能性が高まります。そのため、書類選考を通過しにくくなることが想定されます。また、急いで準備すると見直しを行う余裕がなく、選考書類の記入にミスがあるまま提出してしまいがちです。書類の準備はあらかじめ余裕を持って行いつつ、ブラッシュアップしておきましょう。応募したい求人が見つかったときに、すぐに万全な状態で提出することが可能になります。
④応募数を増やす
内定獲得のハードルが上がるため、転職の軸を明確にした上でなるべく多くの求人に応募することで内定獲得の確率が高まります。職務経歴書をしっかりと作り込んで自身の強みを伝え、書類選考通過を狙いましょう。
まとめ
「コロナ禍で転職活動をするべきか!?」「コロナが落ち着いてから転職活動をするべきか!?」で多くの方が悩まれています。転職活動に踏み切るかどうかの決断は、市場についての一般論に惑わされないようにしたい。大切なのは、「自分にとって今転職すべきタイミングかどうか」ということです。
世間では「売り手市場」と言われ、チャンスが多いように見えても、あなたはまだ動くべきタイミングではないかもしれません。「買い手市場だから転職が難しい」と言われていても、あなたの経験・スキルに対するニーズは高いかもしれません。転職に臨むにあたり、何を目的に転職するのか、自分ならではの「軸」をベースに判断してください。
コロナ禍での転職活動は、対面での会社説明会や面接を避けるため、オンライン化が進んでいます。これにより、採用の幅が広がっているケースも多く、例えば地方に住みながら都心の企業の面接を受けられるなどのメリットがあります。
しかし、コロナの影響で転職市場は日々変化していますので、今まで以上に情報収集を心掛けて下さい。
「買い手市場」で勝者になることをお祈りしています。
Good Luck!!