現在の社会状況もあり、新たにエンドユーザーに直接自社商品やサービスを提供したいとお考えの企業も増えています。
提供方法で最も人気なのがEC(eコマース)サイト(=オンラインショップ)です。

この記事をお読みの方もECサイトの立ち上げを検討されている方も多いのではないでしょうか?

実は、そのECサイトは大きく3つのタイプに分類されます。
本記事ではそれぞれのタイプの特徴をご説明いたします。

ECサイトの3つのタイプ

モール型(商品出品型)

サービス:Amazonなど
イメージ:ショッピングモールの売り場の一部を専有
メリット
・圧倒的な集客力出店が容易。
・検索性が高く、商品を見つけてもらいやすい。
・NP商品を安く販売できるなら期待大
デメリット
・各出品社の個性は出せない。
・同じ商品でも、価格のみで比較される。
ランニングコスト:月額4,900円 販売手数料8%~15%

Amazonについて
アマゾンジャパン株式会社が運営するマーケットプレイス型(商品出品型)のECモールです。
商品単位で出品することが可能なため、気軽に始めることができます。
現在、月間利用者数は楽天市場を抜いて日本最大に拡大し、業界トップクラスの集客力があります。

モール型(店舗出店型)

サービス:楽天、Yahooショッピングなど
イメージ:ショッピングモールの店舗
メリット
・圧倒的な集客力
・NP商品を安く販売できるなら期待大
・出店も比較的容易
デメリット
・店舗の独自ページを所持できるが、デザイン性、カスタマイズ性は低く
・店舗の個性が出しにくい。
・店舗間での価格競争、ポイント付与競争で販売力が決まってしまう。
ランニングコスト:
・楽天:月額50,000円など 販売手数料2%~4% 決済代行手数料4%程度
・yahoo:月額無料 販売手数料なし Tポイント付与分の原資負担1%~決済代行手数料3%程度

楽天市場について
楽天株式会社が運営する店舗出店型(テナント型)のECモールです。
日本におけるモール型ECとしては草分け的存在で、 Amazonに次ぐ月間利用者数です。
なお、月間利用回数ではAmazonを抜いてTOPとなっています。
出店者にとっても様々な仕組みがあるためメリットも多いのですが、
出店料が発生することから、ある程度実績を積んだ出店者に好まれる傾向にあります。
Yahoo!ショッピングについて
ヤフー株式会社が運営する店舗出店型(テナント型)のECモールです。
2013年に出店料と月額利用料を無料化の影響もあり出店数は日本最大です。
コストを抑えたい企業から絶大な支持を得ています。
また、paypayやソフトバンクモバイルとの連携によりユーザーの囲い込み戦略が活発化しています。

モール型共通メリット

1.集客力がある

モール型ECの最大のメリットは、モール自体に集客力があることです。Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのモール型ECには月間利用者が数千万人単位で存在します。すでに人が集まっている場所で商売を始められるので、自社でECサイトを立ち上げる場合に比べて集客にかかる負担ははるかに軽減されます。

2.信頼度が高い

サイバー犯罪の増加やセキュリティ意識の高まりから、聞いたこともないショップに個人情報を登録したり商品を注文したりすることに抵抗を示す人が増えています。モール型ECでは、ショップ自体の知名度が低くても「Amazon」や「楽天」、「Yahoo!」といったブランド力がお客様を安心させて購入しやすい環境をつくります。

3.初心者でも簡単に始められる

モール型ECでは既存のプラットフォームを活用できるため、独自ドメインを取得したりECサイトのデザインを考えたりする手間が省けます。また、基本的なアクセス解析機能が付いている場合もあり、専門的な知識がなくてもECサイトを分析しながら売上を伸ばすことができます。

モール型共通デメリット

1.出店料や手数料がかかる

一般的に、モールの規模が大きくなればなるほど、費用が高額になる傾向にあります。テナント料を始めとして、運営コスト、広告料、売上に応じたロイヤルティなど、さまざまな費用が発生します。

2.商品の価格競争が起きやすい

同業他社が類似商品を取り扱うモール型ECでは、値下げ合戦が起きやすくなります。ライバルが多ければ多いほど価格競争が激化しやすく、利益率が低下するので要注意です。

3.ショップのブランディングが難しい

モール型ECで買い物をしたお客様に「その商品、どこで買ったの?」と聞くと、「Amazonで買った」「楽天で買った」という答えが返ってくることがほとんどです。ショップの認知度を上げるためには、既存のプラットフォームの制約内で店舗ページの見せ方を工夫しなければなりません。

4.顧客情報が取れない

モール型ECでは顧客情報はモール側の所有物となり、各ショップが顧客リストにアクセスすることは基本的にはできません。
顧客情報をもとにマーケティングを行いたい場合には、モール型ECはあまり向いていないでしょう。

自社型

ひと昔前は、自社ECを立ち上げるためにはゼロからシステムをつくる必要があり、
高い技術力や資金力が必要でした。しかし、昨今では中規模や大規模の企業を対象としたカスタマイズ可能なパッケージや、
月額数千円から利用可能な初心者向けのサービスが増え、誰もが気軽に自社ECを構築できるようになりました。

イメージ:路面店(カートタイプ)
メリット:自分で一からデザインが可能。独自色を出しやすく
独自ブランドや独自商品の販売に向く。
価格ではなく、商品の特徴や店舗の特徴などの強みがある場合は期待大
ランニングコストが決済手数料のみで格安。
デメリット:集客が難しい。自分たちで集客の必要がある。
同じ商品でも、価格のみで比較される。
ランニングコスト:月額なし(サーバを別途用意する場合はその分) 販売手数料4%程度

フルスクラッチ

フルスクラッチとは、ゼロからECサイトを設計する方法です。
既存のシステムやソフトウェアを使用しないので莫大な時間とコストがかかりますが、デザインから設計まで一切の制限なく自社に必要な要件に合わせたシステムを構築することができます。

パッケージ

パッケージとは、ECサイト構築のベースとなるソフトウェアをパッケージ販売会社から購入する方法です。
既存のパッケージソフトをもとにECサイトを構築する分、フルスクラッチほどのコストをかけずにECサイトの構築を委託することができます。

代表的な例
・SI Web Shopping ・ecbeing ・ebisumart ・EC-Orange ・Commerce21

オープンソース

オープンソースとは、インターネット上に公開されている無料のソフトウェアを利用する方法です。
ECサイトの構築やバグへの対処、セキュリティ対策などを自社で行う必要がありますが、自社に技術力があれば比較的安価にECサイトを構築することができます。

代表的な例
・Welcart ・EC-CUBE ・wooCommerce

ASP

ASPは最も手軽にECサイトを構築できる方法です。ECサイトを低予算で立ち上げられることはもちろん、
プロバイダー側がシステムの更新を行うため、自社でアップデートしなくても常に最新の機能を利用することができます。
従来はカスタマイズの自由度が低いと言われてきたASPですが、昨今では「カスタマイズ可能なASP」が脚光を浴びています。
Shopifyが提供するASPでは、
必要な機能を追加して自由にカスタマイズしたり、豊富なテンプレートを使って簡単にデザインしたりすることが可能なため、大企業に利用されるケースも増えています。

その他のサービス
・BASE ・STORES ・イージーマイショップ ・MakeShop ・ショップサーブ

自社ECの共通のメリット

1.利益率が高い

自社でECサイトを運営する場合には、出店料や売上に対する手数料などのコストは発生しません。ASPやオープンソースを利用すれば初期費用を抑えることができ、ECサイトを立ち上げた後は基本的にはシステムの保守費のみで運営することが可能です。また、モール型ECのように値下げ合戦に陥る可能性も低く、総合的に高い利益を確保できます。

2.ショップのブランディングができる

自社ECでは、サイトのデザインに制限がありません。商品ページのレイアウトや注文画面、マイページなどを自社のテイストに沿って自由に構築すれば、モール型ECでは認知されにくいショップの名前やブランドイメージをしっかりとアピールすることができます。

3.リピート率の向上を図りやすい

モール型ECではモール側が顧客情報を管理するのに対して、自社ECでは顧客情報は店舗の所有物になります。サイトを細かく分析しながらコンテンツを充実させ、過去に購入履歴があるお客様一人ひとりに対して販促活動を行えば、リピート客や優良顧客を増やして利益を生み続ける仕組みをつくることができます。

自社ECの共通デメリット

1.自力で集客しなければならない

自社ECでは、ECサイトを構築しただけで売上が立つということはまずありえません。ECサイトを立ち上げた直後からSEO対策や質の高いコンテンツづくりを積極的に行う一方で必要に応じて有料広告を活用し、時間をかけて集客に取り組んでいくことが重要です。

2.成果が出るまでに時間がかかる

自社ECのメリットとして、「利益率が高い」、「ショップのブランディングができる」、「リピート率の向上を図りやすい」ことを挙げましたが、これらの成果は一朝一夕であらわれるわけではありません。ECサイトの問題点を見つけて改善したり、日頃から顧客との関係を築いたりと、時間をかけて課題に取り組んでいくことが必要です。

3.ECサイトの運営に主体性が求められる

自社でECサイトを運営する場合、集客を始めとして様々な販売活動を主体的に行う必要があります。ショップをどのようにブランディングしたいか、リピーターを増やすにはどうしたらいいかなど、長期的なビジョンを持ってECサイトを運営しなければ、自社ECを成功させることは難しいでしょう。

モール型ECか自社ECかで迷ったときは?

商材で考える 

「欲しいもののジャンルは決まっているけれど、具体的にどの商品を買うかを決めかねている」というお客様は、モール型ECを利用する傾向にあります。モール型ECの検索機能を使えば、類似商品を比較した上で購入する商品をひとつに絞ることができるからです。そこで、大衆商品や消耗材などの競合商品が多い商材を販売する場合は、買い手がたくさん訪れるモール型ECに出店すると、商品の露出を増やすことができるでしょう。

一方、ブランド品や専門品などを求めてショッピングをするお客様は、すでに購入する商品がはっきりしているため、個々のショップのECサイトから直に購入することを好みます。ニッチな領域の商品を取り扱っている場合は、自社でECサイトを立ち上げてブランディングを行い、リピート客や優良顧客を増やしていくと良いでしょう。

ビジネス展開で考える 

ニッチな領域の商品を販売する場合でも、商品やブランドが世間に知られていない段階では、商品を探し当てて購入までに至るお客様はそれほど多くありません。そこで、自社が置かれた状況からモール型ECに出店すべきか自社ECを立ち上げるべきかを見極めるという考え方があります。

事業を始めたばかりの時期はモール型ECの集客力を活用し、商品やブランドが認知されるようになった頃合いを見計らって自社ECに移行するという戦略を取れば、それぞれのメリットを最大限に活用してビジネスを展開することができるでしょう。

短期的に成果を出すべきなのか。時間がかかってもショップの認知度を向上させて高利益を狙うべきなのか。はたまた、新規顧客とリピーターを同時に増やしていくべきなのか。

それぞれのECサイトの違いを理解した上でショップの目指す方向性を見極め、自社に合ったECサイトの運営方法を戦略的に検討しましょう。

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