マーケティングの基礎について下記ページでご説明させていただきました。
この中で、ご紹介していましたマーケティング戦略の立案プロセスについてもう少し詳しく説明させて頂きます。
企業が知るべきマーケティングの基礎の基礎。
フォーサイトクリエイションのコーポレートサイト、ECサイト、ブランドサイト、採用サイトなどのホームページやウェブシステム開発の実績をご紹介します。
マーケティング戦略の立案プロセス
内部環境と外部環境の調査・分析
マーケティング戦略は、企業の内部環境(企業の強みと弱み)と外部環境(機会と脅威)の調査・分析から始まります。
このプロセスでは、自社の商品(製品)・サービスの強みや弱みを知り、市場での自社の立ち位置を優位する機会、または脅威の存在を明らかにします。これらの要素を分析・抽出するにはSWOT分析や3C分析などのフレームワークが有効です。
近年では技術革新により新たな市場の開拓・進出が比較的簡単となっています。新たな市場を獲得方法として、マクロ環境の分析に優れたPEST分析が効果的です。
一方で、現場を訪れて消費者や市場環境の状況を肌で感じることも大切です。
マーケティングでは、数値に基づいた定量的な分析に加え、顧客や市場の生の声などの定性的なデータも貴重なデータと考えられています。
マーケティングリサーチの実施
マーケティングリサーチとは、商品(製品)・サービスを提供するために、市場を調査する活動を指します。
マーケティングリサーチでは、以下のような調査方法が挙げられます。
- お客様アンケートや対面インタビューの実施
- Webサービスを活用した顧客ニーズや動向などの生活者データの獲得
- 訪問・郵送・電話調査
- MROC調査(参加者同士のディスカッション調査)
- モニター調査
- 覆面調査
目的や調査対象によって調査、方法を複数選択することも可能です。
一方な広告宣伝だけでは業績を上げることができないため、お客様から直接、生の情報を得ることが大切です。また消費者は、感情やイメージによって、購入を決定することが少なくありません。そのため、定期的にマーケティングリサーチを行い、変化し続けるお客様の意見や行動傾向を知る定性調査や、データに基いた定量調査両方を可能にします。
セグメンテーション(市場細分化)の実施
セグメンテーションとは、市場に存在する不特定多数の顧客(消費者)を同じニーズや属性を持つ顧客、またはグループで分けるプロセスです。商品(製品)・サービスを提供する顧客や消費者を細分化する、重要な作業として認識されています。
さまざまな切り口から顧客(消費者)を分類できるため、自社商品(製品)の差別化や競争優位性の確立がしやすいメリットがあります。近年では顧客のニーズ・価値観の多様化が進み、さらにビッグデータやAI(人工知能)の活用、インターネットやSNSの発展により、顧客の細分化が進み、セグメンテーションの作業が高度化・複雑化している傾向がみられます。
また、経営資源が少ない中小企業や小規模事業者(スタートアップ企業・ベンチャー企業)が選択しやすいSTP戦略のひとつでもあり、自社の強みを活かすための重要なマーケティング・プロセスです。
セグメンテーションでは、消費者を業態や業種、顧客(消費者)の年齢・性別、趣味志向、ライフスタイルなどに細かく分類していくため、マーケターの高度な知識や経験、スキルが最も求められる、要となるプロセスといえます。熟練したマーケターが確保できない場合は、外部の第三者機関を使って分析しましょう。
ターゲティング(絞り込み)の実施
セグメンテーションを行なった後は、ターゲティング(絞り込み)の作業に移ります。ターゲティングでは、細かく分類された市場の中から自社の商品(製品)・サービスを投入すべき市場を選択します。同時に、購入につながる可能性が高い顧客の行動や属性の分析を行ないます。
顧客分析では、以下の要素(6R)に焦点をあてた上で、ターゲティングを行います。
- 市場規模(Realistic Scale)
- 成長性・収益性(Rate of Growth)
- 顧客の優先順位・波及効果(Rank・Ripple Effect)
- 到達可能性(Reach)
- 競合の存在(Rival)
- 反応測定の可能性(Response)
また、自社の経営資源と商品(製品)・サービスの制約条件も考慮しなければいけません。
中小企業や小規模事業者(スタートアップ企業・ベンチャー企業)向けの市場開拓(ニッチ市場の発見など)にもつながるため、マーケティング・プロセスの基本フレームワークとしても知られています。
ポジショニングの決定
STP戦略の最後のひとつであるポジショニングでは、ターゲティングした消費者に、会社独自のポジションを認識してもらう作業を指します。顧客(消費者)のニーズに対して、ユニークな差別化を図ると同時に、企業価値も向上できます。
ポジショニングでは、消費者の視点に立って、購買決定に関わる要因(Key Buying Factor)を差別化ポイントとして見極めます。この差別化ポイントはポジショニングマップを用いて分析していきます。
ポジショニングマップでは、以下の4点を考慮するようにしましょう。
- ターゲットサイズが適性かどうか
- 顧客に正確に伝わるか
- 顧客が共感するか
- 製品のポジショニング
これらの4点のバランスを重視することが大切です。
マーケティングミックスの実施
マーケティング・プロセスの最終段階では、どのように顧客へ商品(製品)・サービスの価値を提供するかを考える、マーケティングミックスを実施します。そこで活用されるフレームワークが、4P(製品、価格、販売促進、販売経路・流通)や4C(顧客価値顧客の負担、入手容易性・利便性、コミュニケーション)です。
従来のマーケティングでは、企業の視点である4Pによるマーケティングミックスが主流でしたが、顧客のニーズや価値観が多様化する現代においては、顧客の視点に立った4Cを重視する日本企業が増えています。これらのフレームワークを使い、顧客に「どのような」情報を「どのような」手段を使って伝えるべきかを見出し、マーケティング戦略を立案していきます。
打ち出したマーケティング戦略を実践した後は、効果を測定しPDCAを前提とした運用を行ないます。また、ビッグデータやAI(人工知能)を活用して、精度の高い効果測定や分析も可能です。
マーケティング戦略を実施する際は、レポート作成や定型作業をソフトウェアやWebツールを活用して、膨大な作業量を削減することも検討しなければいけません。
4P
- 製品(Product)
- 価格(Price)
- 販売促進(Promotion)
- 販売経路・流通(Place)
の4つの要素の頭文字を取ったマーケティング基本用語です。
4Pでは、企業が生み出す商品(製品)・サービスを流通させるために、それぞれの整合性を分析し、企業の目標業績を達成するための戦略を立案していきます。
また、4Pはマーケティング・プロセスであるセグメンテーションやターゲティング、ポジショニングと一貫性を持たせなければ効果が表れにくいため、マーケティングの実施に必要不可欠な基本要素といえます。
4C
4Cとは、アメリカの経済学者であるロバート・ラウターボーンが提唱した、新たなマーケティングのフレームワークのひとつです。企業側の視点である4P(製品、価格、販売促進、販売経路・流通)に代わるマーケティングミックスとして注目されています。
4Cは、顧客側の視点である
- 顧客価値(Customer value)
- 顧客の負担(Customer cost)
- 入手容易性・利便性(Convenience)
- コミュニケーション(Communication)
の4つの要素を組み合わせて、マーケティング戦略を打ち出します。
自社が提供する商品(製品)・サービスが顧客にとって、どのような価値があり、コストに見合った利便性を得られるかは、購入につながる重要な要素です。近年ではSNSやメッセージアプリなどのコミュニケーションツールが急速に発展しており、ソーシャルメディアを活用した、顧客との相互コミュニケーションはマーケティング戦略の重要な手法として注目されています。
顧客側の視点である4Cの各要素は、企業側の視点である4Pの各要素に対して、以下のように紐付いていると考えられます。
まとめ
以上のような、マーケティングプロセスが最も正しいものとは限りません。
その企業の状況や社会の状況などによって、変更していくことも必要です。
マーケティングは一朝一夕には成り立ちません。日々の積み重ねが必要です。
ただ、その積み重ねもプロセスが間違っていれば、期待したものと全く別のものが出来上がります。
まずは、しっかりとした土台を作りマーケティングを進めていく中で常に、確認して進めていくことが成功への近道と考えます。