近年、パーパスブランディングというキーワードを耳にすることが増えてきました。
多くの国際的企業がこの考え方を元に、ブランディングを行っています。
では、このパーパスブランディングとは何かを皆さんは御存知でしょうか?

今回は、このパーパスブランディングとは何かを従来のブランディングとの違いも含めて説明したいと思います。

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パーパスブランディングとは私たち(WE)にとっての価値を伝えること

これまでのブランディングの多くは、企業と消費者の関係性の中でその消費者個人が受け取る価値を「ブランド」という形で提供しようとしてきました。
つまり、そのーゲット個人の得られる価値にフォーカスを絞っているため、社会におけるその企業の存在価値という意味での価値提供はされていませんでした。

一方、パーパスブランディングは、社会的な存在意義をパーパスとして提供することで賛同や共感を集めることで、
企業のブランドの購入や選択・ファン化行動につなげていこうとするものです。

これまでのブランディングでは、ME価値(私にとって)を中心に戦略が立てられてきましたが、
パーパスブランディングにおいては、ME価値に加えてWE価値(私たちにとって)までを価値定義する必要があります。

[パーパスを軸にした企業経営やブランディングの例]

Google 世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスして使えるようにすること
HYATT HOTELS お客様が最善を尽くせるようにお世話をする
TOYOTA 未来のモビリティ社会をリードする
Amazon 地球上で最もお客様を大切にする企業であること
NIKE スポーツを通じて世界を結束させること
P&G 現在、そして次世代の世界の消費者の生活を向上させる、
優れた品質と価値を備えた製品とサービスを提供します
富士通 イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく

全方位への賛同・共感を得る

ブランドパーパスを定義する際に、「ブランドチームの意思」と「消費者や社会のインサイト」のどちらが優先されるのか?という議論があります。ブランディングを推進するのはブランドチームなのだから、自らの意思を持って「こうありたい」という想いが優先されるべき、という意見。一方、ブランドの価値は消費者の心の中で決まるものだから、消費者のインサイトを優先しないと企業の独りよがりなブランディングが行われてしまう、という意見です。

パーパスブランディングを成功させるには、消費者のみならず、ブランドチーム(社員)、取引先、投資家などの関係者に、そのパーパスに対して強く賛同、共感してもらうことが必要です。ブランドチームも「よし!この存在意義(=価値)の実現に全力を尽くそう!」「この価値を世の中に提供するブランディングを仕事にできて幸せだ!」そのように思えるパーパスでなければなりませんし、消費者からも「あ、そうそう、そういうことを求めてたんですよ!」「よくぞやってくれました!」と思ってもらえるものでなければなりません。その他の取引先や投資家も然りです。
ブランドチーム(社員)も含む「全方位で賛同・共感を得るコト」を見つけ出し、パーパスとして定義する必要があります。

基礎になるのは、深い人間理解(=インサイト)

成功しているパーパスブランディングはいつも、次の2つを実現しています。

(1)消費者のみならず、社員、取引先、投資家などの関係者、つまり社会が求めているがいま提供されていない「未充足の社会価値」を存在意義の中心に据えていること
(2)商品、プロモーションを含むすべてのブランド体験が「押し込み/説得」ではなく「惹きつけ/共感」によって購買・使用・推奨行動などを生み出していること

これらの基礎になるのが、深い人間理解(=インサイト)です。人が言葉にはできないが求めていることを深く理解することで、パーパスブランディングは絵に描いた餅ではなく、実効性をもつのです。これまでのブランディングよりも増して、インサイトの重要性は増しています。表面的な人間理解では、通用しないのです。