マーケティングのフレームワークとして「AIDMA(アイドマ)の法則」をご存じの方も多いでしょう。しかし近年では、AIDMAの法則以外にもAIDCAS・AISAS・AISCEASなど、時代にあわせて様々なフレームワークが登場しています。
本記事では、アイドマの法則を詳しく振り返るとともに、新たなフレームワークについても解説していきます。
AIDMA(アイドマ)の法則とは?
AIDMAの法則は、フレームワークとして大変有名なため「名前は聞いたことがある」という方も多いのではないでしょうか。しかし、内容については詳しく知らない方や、フレームワークを使ったことがない方も多いでしょう。
そこでまずは、AIDMAの法則について詳しくおさらいしましょう。
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消費者の購買行動を示したもの
AIDMAの法則は、消費者の購買行動の流れを示したものです。古くから、マーケティング施策を考えるときのフレームワークとして使われている法則で、マーケティングの基本や解説本には必ずといっていいほど登場します。
AIDMAの法則によると、消費者が物を購入するときには「注意(A)→興味(I)→欲求(D)→記憶(M)→購入(A)」の流れを無意識に行っているとされています。これらの状態の頭文字を1つずつとって「AIDMA」と名付けられているのです。
ではそれぞれの項目について詳しくチェックしてみましょう。
①Attention:注意・注目
消費者が商品を購入するためには、まず「Attention:注意・注目」を引きつけ、自社の商品について知ってもらう必要があります。消費者にとって、どれほど理想的な商品だったとしても、商品の存在を知っていなければ当然購買に繋がることはありません。買活動の最初のステップは「認知」であるといえるでしょう。
②Interest:興味関心
消費者が商品について知った後は、「Interest:興味関心」を持ってもらうことが重要です。「こんな商品があるんだ」「こんなサービスがあるんだ」と認知しても、興味がなければ流されて終わりです。認知された後は「商品の魅力」「他の商品との違い」「機能」などを伝えて、商品に対しての興味を持ってもらうことで、次のステップに繋がります。
③Desire:欲求
商品に対して興味を持ってもらった後は、「Desire:欲求」を促すステップに進みます。「魅力的な商品だな」と思ったとしても、「これが欲しい!」「使ってみたい!」と思われなければ、購買には繋がりません。消費者に「欲しい!」と思わせられるように、「商品を利用したら、生活がどう変わるのか」をイメージさせることで、購買意欲を高めましょう。
④Memory:記憶
「欲しい」と思ったとしても、すぐに購買に結びつかないことは多いもの。商品の購入には検討する時間も必要です。そのため、重要になるのは「Memory:記憶」です。購買欲求が発生してからしばらくすると、徐々に欲求は薄れてきます。そのため、購買に至るまで欲求を維持できるように商品の魅力を記憶に残させたり、継続的にアプローチして忘れさせない努力をしたりして、消費者をつなぎとめる施策が重要です。
⑤Action:行動・購入
最後は「Action:行動」です。ここでいう行動とは、商品の購入のことをさします。商品への購買意欲を継続させても、行動に移すためには何かきっかけが必要です。「商品を購入することで、理想の未来をつくれる」ことを具体的にイメージさせることがポイントです。
AIDMA(アイドマ)の法則は古い考えだが、現在でも適用できる
近年では、AIDMAの法則の考え方は古いとも言われており、「AIDMAの法則は使えないのかな?」と不安な方もいらっしゃるかもしれません。確かに、AIDMAの法則は古くから使われているフレームワークであり、近年の流通の流れや環境の変化を反映したAIDMAの法則から発展したフレームワークも誕生しています。
しかし、これらのフレームワークはAIDMAの法則が基本になっているものであり、消費者の基本的な購買行動の流れは変わっていないため、まずはAIDMAの法則の内容を理解した上で、他のフレームワークも活用することがおすすめします。
AIDMA(アイドマ)の法則以外のフレームワーク例
では、AIDMAの法則から発展したフレームワークについても確認していきましょう。
AIDCAS(アイドカス)
AIDCS(アイドカス)は、以下の内容の頭文字を取って名付けられた法則です。
- Attention:注意
- Interest:興味関心
- Desire:欲求
- Conviction:確信(★)
- Action:購入
- Satisfaction:満足(★)
※(★)AIDMAと比較して特徴的な部分
AIDMAとの違いと言えば、「Memory:記憶」から「Conviction:確信」に変わっています。人は記憶で購入するのではなく、「自分が欲しいモノが間違いなく良いモノだ」と確信させることが重要だという考えです。
また、「Satisfaction:満足」が追加されており、購入して終わりではなく購入した後の「満足」まで考えることが特徴です。
AISAS(アイサス)
AISAS(アイサス)は2005年に電通によって提唱された、デジタルマーケティングにおける購買行動の流れです。以下の内容の頭文字を取ってAISASとよばれています。
- Attention:注意
- Interest:興味関心
- Search:検索・情報収集(★)
- Action:購入
- Share:共有(★)
※(★)AIDMAと比較して特徴的な部分
AIDMAとの違いは「検索」と「共有」です。商品に興味を持った消費者はインターネットですぐに検索し、商品の詳細や口コミなどを確認した上で購入します。けっして、「検討」しなくなった訳ではなく、考えるよりも人の評価を重視して購入の判断をする傾向にあるということです。
そして、購入した後は口コミをSNSや口コミサイトに投稿したり、周りの人に共有したりするという行動が追加されています。
それは、満足しても、満足しなくてもされる行動です。
AISCEAS(アイセアス)
AISCEAS(アイセアス)は、AISASに2つのステップが追加されたもの。以下の内容の頭文字を取っています。
- Attention:注意
- Interest:興味関心
- Search:検索・情報収集
- Comparison:比較(★)
- Examination:検討(★)
- Action:購入
- Share:共有
※(★)AISASと比較して特徴的な部分
AISASと比較すると、情報収集をした後に実際に行っている「比較」「検討」する行動を明記したものです。
そうなると最終型はAISCECASS(アイセカス)?
実際に消費者が行動していても、語呂で覚えやすいように省略されています。では、消費者が購入までにする行動を詳細に書き出すとAISCECASS(アイセカス)?となる。
語呂はともかく、消費者を購入まで導くには、消費者の行動を詳細に把握し、それに合わせた対応を考えていくことが必要です。
- Attention:注意
- Interest:興味関心
- Search:検索・情報収集
- Comparison:比較
- Examination:検討
- Conviction:確信
- Action:購入
- Satisfaction:満足
- Share:共有
AIDMAの法則から発展したフレームワークでは、インターネットの発達によって新たに「検索・情報収集」「比較検討」が加わり、一度切りのモノ売りビジネスから顧客との継続的な関係を前提としたサービス提供へとビジネスモデルの変化によって「顧客満足度」が重視されていることがわかるのではないでしょうか。
特に、「購入」で終わるのではなく「顧客満足度」を上げることは、どんな広告よりも強力です。新発売時は「Attention:注意」で認知を高めるため広告費が掛かりますが、「顧客満足度」が高ければ、広告は出さなくても、口コミだけで商品は売れ続けていきます。しかも、企業が売るために作った広告より消費者は口コミを信用します。
まとめると、消費者は「検索・情報収集」段階で既に口コミを観ているため、「満足・共有」からのループになるのが理想のカタチということです。
今や、ホームページを外せない時代。
皆さまもご存知のように、「商品を購入する」「レストランに行く」以外にも「就職先を探す」際にも、まずホームページをチェックしてから行動を起こします。
ホームページが期待を越えなければ、人はリアルに辿り着きません。どんなに商品が良くても、どんなに料理が素晴らしくても、体験してもらうことはありません。リアルの前のバーチャルの戦いが今まで以上に重要になり、存続にも大きな影響を与えますので、費用対効果が一番良く、有力な自社媒体であるホームページの強化をお勧めします。