最近、銀行の支店やATMが減っているのは何故でしょうか?

銀行が人気就職企業ランキングから転落した理由とは!?

「かつて銀行と呼ばれていた」と新卒採用ページで打ち出す三井住友の意図は何でしょうか?

かつて人気就職企業だった銀行は、これからどうなるのでしょうか?

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就職人気企業ランキングから消えた銀行

今から10年前にあたる13年卒の「就職人気企業ランキング」では、2位の三菱東京UFJ銀行(現:三菱UFJ銀行)を筆頭に、6位にみずほフィナンシャルグループ、9位に三井住友銀行がランクイン。トップ10にメガバンク3社が入っていて「金融」が人気だったことが分かる。三菱東京UFJ銀行は、17年卒のランキングまで上位10位に入り続けたが、現在では、「就職したくない業界」になってしまっている。

 

銀行に就職したくない理由

①本業で儲からない

銀行の本業は「企業への融資」ですが、これが儲かっていません。 それは借り手がいないからです。 バブル経済の遺産で、日本人には「借金が嫌い」という風潮も根付いてしまいました。それどころか企業にとっては、仮想通貨を使った資金集め、またエンジェル投資家や投資ファンドやクラウドファンディングなど、 銀行を通さない資金調達手段が出てきており、「銀行からの借金」が必ずしも企業に必要ではなくなってきています。

銀行の収益源としてもう1つ重要なのは、投資業務です。利用者から預かった預金をまず、企業に融資します。 それで余ったお金は「日銀に預ける」「国債を買う」「株式投資をする」ことで利益を出すのですが、マイナス金利政策のため投資業務でも利益が出せません。

②大規模リストラが待ち受けている

さらに悪いことに、みずほ銀行は2026年度末までにグループの従業員数を現在の約7万9000人から6万人に減らす方針を発表しました。 AIを使った効率化で業務量を減らし、店舗も2割削減するとのことです。 その前には三菱UFJ銀行もグループ全体で10年程度で1万人の人員削減を予定しています。AIやロボットを導入して銀行業務を自動化し、社員や店舗を減らして利益を確保しようというのが人員削減の真意です。

③法的規制のため新たなビジネスが出来ない

銀行に就職したくない理由の1つに、規制が多すぎるというものがあります。 特にメガバンクでは100兆円を超える預金を誇っており、その莫大すぎる資金力を背景にいろんな業界で独占企業になってしまう可能性があるためです。 そのため、銀行は他の業界には進出できないように規制がされています。

例えばセブンイレブンはセブン銀行で銀行業に進出できましたが、三菱UFJ銀行はコンビニ業に進出できないのも規制のためです。

 

「かつて銀行と呼ばれていた」と打ち出す三井住友の意図

三井住友銀行も、新卒採用ページで「かつては、銀行と呼ばれていた」「時代は変わる、銀行も変わる」と、従来型を踏襲しない採用姿勢を強く打ち出している。みずほフィナンシャルグループの2018年の採用スローガンも「みずほらしくない人に会いたい」である。

今までは、年功序列、終身雇用で安定の象徴とされたメガバンクだが、取り巻く環境は、様変わりしている。それに伴って求める人材も180℃変わった。今まではオリジナリティーや独創的な発想などは必要なかった。「決められたことをきちんとこなす人材」が求められていた。それが急に、「創造的思考力」や「変化志向」の高い人を求めだしている。

確かに、今までの銀行思考では成り立たなくなっているが、残っている人材は昔の考え方の人である。上司にあたるその人たちの考え方を新入社員に変えてもらうことを期待するのは少々酷のように思う。

銀行も打ち出しだけでなく、「どう変われるか?」に今後期待したい。

 

これからが銀行再編の本番!もうATMはお荷物?

そもそも銀行の収益は基本的に景気(経済成長率)に比例する。さらに、このコロナ禍の影響は大きく、そして超低金利政策は当面変更されるはずもなく、少子高齢化と相まって、根本的な銀行経営は改善には向かわない。それならば、日本経済の状況や我々の税金を使うことでもあり、出来るだけ早く対応しなければならない。まさに都市銀行のケースと同じように、政府主導で行うことが肝要である。

さらに、これはメガバンクも含まれるが、コスト削減のため、支店と自行ATMを削減している。メガバンクには1行あたり支店がおよそ500あるが、それぞれ、その4割である約200店を削減している最中である。ATM削減も同様のスピードである。地方銀行は約2割の支店を削減している。同じく閉めるのは店舗だけではなくATMも同じように撤退する。

メガバンクでは1行あたり年間約1000億のシステム予算がかかり、しかも7~8割程度がリテール部門である。特にATMなどの運用コストが、その大部分を占めている。もっと言えばATMの業務は、銀行の商売の柱ともならず、差別化もできない。差別化できない業務に注力をする経営体力は現在のメガバンクにも地方銀行にもない。

 

現金は減るがサービスはなくならない

さらに状況を複雑にしているのが、政府のキャッシュレス政策だ。経済産業省を中心に「〇〇Pay」などの「新型決済インフラ」の進出を促している一方で、財務省・金融庁・日本銀行の動向を見る限り、現金はなくなるわけではないということだ。20年に1回の新紙幣・新硬貨の発行は取りやめられることはなく、2024年には、新紙幣が発行され、新1万円札の肖像に選ばれた渋沢栄一はブームにもなっている。定期的な新紙幣・新硬貨の発行は、偽札防止、犯罪防止の目的がある。さらに紙幣を印刷する国立印刷局(旧大蔵省印刷局)は、しかも、バングラディシュ、スリランカ、ニュージーランドの紙幣印刷の外注を受けているのである。新紙幣発行は、産業として国際的な営業の意味もある。

今後、現金が廃止される気配はなく、銀行は現金対応をやらざるを得ない。銀行の支店やATMを削減すると現金取引を行う顧客も困る。一方、紙幣・硬貨は今まで通り20年ごとに更改されることが予想される。そのたびにATMは新紙幣・新硬貨の機器改修・更新のため多額のコストを必要とする。しかし、平行してキャッシュレス化が進む以上、ATMが対応する現金の量は、これからも減っていく。

常識的に差別化の可能性がなく、コストがかかる業務は共同化していくしかないと考える。三菱UFJ銀行と三井住友銀行のATMの共同化も納得がいく。

 

銀行が去った未来

この先、銀行界では、ATM業務は共同化が進み、決済システムのようないわば共通インフラとしての存在になっていくと考えている。そこで、注目を浴びるのが、いわゆるコンビニATMといわれる共同ATMを運用管理する業界である。メガバンクや地方銀行の支店とATMの受け皿となりえるのがコンビニATMなのである。

銀行業界が経営的に支店やATMを削減する方針となり、また諸状況から現金対応は続けなければならず、共同ATMすなわち、いわゆるコンビ二ATMが受け皿として銀行のためにもなる。またコンビニATMはシステム予算の削減をしたい銀行のニーズに合わせて、コスト削減を最優先している。

ATMを設置するコンビニエンスストアも、店内で現金の入金ができるのが役立っている。また利用者にとっては24時間開いているコンビエンスストアが多く、夜間金庫の役目として入金もできる。金額もその場で確認できる。銀行の夜間金庫が廃止されているのも分かる。コンビニエンスストアとしても、コンビニATMが集客の役目を果たしている。もっともコンビニATMにも数社あるが、セブン銀行、ローソン銀行、ゆうちょ銀行などは銀行であり、既存の銀行にとってはライバルといえばライバルである。

それよりも、そもそも銀行などが出資して運営している「サービス業」である「イーネット」がある。すでに、愛知銀行と名古屋銀行のATM業務を受託している。イーネットはATMの高度化よりも、銀行などのためにコスト削減に徹している。そもそも、銀行などが出資したイーネットが、銀行の決済システムに近い存在として、役割を果たす時代になってきたというべきだろうか。

世の中は新時代を迎え、オフラインからオンラインへ急速にチェンジしています。
近い将来、銀行は国民の利用する場ではなく企業の支店という役割に変わり支店数も今よりもはるかに減少するでしょう。そして国民へのサービスは、企業も含めネットバンキングとコンビニATMで完結するようになると私は思う。

 

※イーネットとは
コンビニエンスストアにおけるATMの保守管理、ATMに関する事務受託業務等を主たる業務として設立。コンビニだけでなく、従来の店舗外共同ATMについてもアウトソースを請け負う。全国の都市銀行・信託銀行・地方銀行・第二地方銀行やコンビニエンスストア、リース会社などの共同出資により設立された。

銀行をはじめとする金融機関ATM管理を主たる業務とするが、あくまでも金融機関のアウトソースを請け負うのみであり、セブン銀行やイオン銀行、ローソン銀行などのようにイーネット自身が預金や融資などの金融業務を行うわけではないため、業種としては金融業ではなくサービス業に位置づけられる